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MOMOとMAMAとウエスト症候群

ウエスト症候群(点頭てんかん)闘病中の“ももぞう”と、福祉事業に従事する“momomama”の、ブログを中心とした情報サイトです。 闘病のこと、心理学のこと、その他日常の徒然な事をのんびり綴ります。

ウエスト症候群(点頭てんかん)とは

♡まず初めに、『このサイトについて』をご一読下さい♡



このページでは、ウエスト症候群(点頭てんかん)について、特に概要を理解してから新たに生まれる疑問などを中心に、管理人が自分で読み物から調べた事、先生に教えて貰った事、病院ママネットワークから頂いた情報などを一つにまとめながら、噛み砕いて記載できればと思っています。

随時加筆。

素人が編集していますので、誤解を生む箇所や誤った情報があればご指南ください。


しかしながら、ウエスト症候群は発見されてから日の浅い病気で、まだ治療法も薬も、絶対的なものはありません。

予後についても、古い記録はあまり参考になりません。

ここでは出来るだけ新しい情報を記載していきますが、このブログを含め、インターネットや専門書を鵜呑みにするのではなく、まずは必ず信頼できる主治医を探し、その主治医からしっかり話を聞いて判断してください。



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ウエスト症候群(点頭てんかん)とは


年齢依存性てんかん性脳症のひとつ。

West症候群(ウエストしょうこうぐん)と点頭てんかん(てんとうてんかん)は、ほぼ同義語に用いられる。

・多くは生後4~7カ月、殆どが12カ月迄に発症。3歳未満にしかほぼ認められない。

・物音にびっくりしたかのような、手を伸ばし、カクンと首を縮めるような発作が特徴(首がうなづくようにカクンと下がり、両手は上にグッと上げる)。

・発作は数秒~数十秒の間をおいて数回~数十回繰り返す(シリーズ発作)。

・シリーズ発作は一日に数回~数十回繰り返される。

・点頭発作には、上記以外にも沢山のパターンがある(片手や片足だけの動き、眼球が偏るだけ、声が出るだけ、など)。脳波上でヒプスアリスミア(簡単に言うと、リズムが無く棘が多い、グシャグシャの脳波)と呼ばれる点頭てんかん特有の脳波が出ている場合、これらも点頭発作と考えられる。

・発作そのものよりも、発作による脳へのダメージが深刻で、後遺症として重篤な精神・運動機能障害をもたらす。

・点頭発作がみられるようになると、発達が退行し始めたり、周囲への反応が鈍くなったりすることがある(首が座らなくなった、笑わなくなった など)

・点頭発作自体は年齢と共に自然消滅することもあるが、多くがレノックス・ガストー症候群へと移行する。

※レノックス・ガストー症候群…年齢依存性てんかんの一種。2~8歳に発症。発作型が多岐に渡り、薬剤への反応が悪く、治療は困難を極める。

・発作が消失しても、点頭発作により既に脳へ受けたダメージが消えることはない。



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私が最初にぶつかったのは、点頭てんかんとウエスト症候群の違いです。

恐らく、点頭てんかんというのは『点頭発作(のあるてんかんの種類)』であり、ウエスト症候群とは『点頭発作があり、脳波上にヒプスアリスミアが見られ、発達の停滞や退行が見られる症状の病名』というイメージで間違いないかと思います。


ももぞうの発症からの経過については、日記のページに日を追って記載していきます。

ももぞうが、生後4か月で『点頭てんかんの予兆あり』と診察されたとき、私は初めてこの病気について調べ、本当に息が出来ないほど硬直しました。

現実味もなければ、認めたくもない…帰宅した主人に、ぼんやりしたまま病気の事を話したと思います。

もし、ももぞうと同じように、今までの発達が正常だったわが子が突然『点頭てんかん』を発症してしまった場合。
きっと親御さんは当時の私と同じように、この病気の重大さを受け止めきれず、奈落の底に突き落とされたような気持になると思います。

でも、まだ諦めるような段階ではありません。

この病気は不治の病ではありません。沢山の治療法があります。

予後についても、どこで読んでも『予後不良』とばかりありますが、必ずしもそれだけではありません。

後遺症なく普通学級に進学し、大学まで卒業した患者さんも実際にいらっしゃいます。

障がいがあっても、自分で歩き、話し、食べ、笑って生きている患者さんも沢山います。


ウエスト症候群になったからといって、まだ子供の人生を悲観する必要はありません!!

負けないで!まだ諦めないでください!!
お子さんは今、目の前で、何も分からないながらも発作に苦しみ、必死に闘病をしています。

親御さんが先に病気に負けてしまってはいけません!!


愛する子供の病気、人生、心配なのは当たり前です。。

涙も出るし、悔しいし、不安だし…何より『どうしてうちの子が』と思いますよね。

私たち夫婦も、さんざん泣き、喧嘩し、狼狽し、落ち込み、鬱状態になりました。 泣く時間も、必要です。

でも、どうか少しずつでも、前を向く時間も作ってください。


この病気は早期治療が重要です。 落ち込んでいる暇も、現実逃避する暇もありません。

しっかり知識を付けて、わが子がベストな治療を受けられるよう準備をしましょう!



(…って、私自身にいつも言い聞かせてるんですけどね。momomamaも頑張ります!)



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もし万が一、今『わが子が点頭てんかんかもしれない』と疑っている親御さんは、一刻も早くその症状を動画撮影して、小児神経か脳神経の専門医がいる病院を受診してください。

脳波検査を受けるまでは安心できません。
誤診により治療が遅れた例をいくつも知っています。

親御さんの目で見て明らかに異様な動きだと訴えているのに、脳波も撮らず、診察だけで『様子を見ましょう』とだけ言われるような場合は、病院を変えましょう。
一刻も早く、脳波を撮ってもらってください。

心配性過ぎるとかモンペだとか思われるんじゃないか、なんて心配になるのも分かります。

でもこの病気の発見が遅れる事に比べたら、そんなの取るに足らない事だと思いませんか??


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ウエスト症候群(点頭てんかん)の検査・治療


脳波検査

・脳波検査は眠った状態で行われる。多くの場合、睡眠導入剤を使い患者を眠らせる。自然入眠で眠りが深ければ、そのまま検査になる場合もある。

・睡眠導入剤を使う場合、深く眠りすぎてこん睡状態になったり心拍が停止しないよう、呼吸状態と心拍を管理する為にパルスオキシメータ(心拍数・血中酸素濃度を測る機材)を装用する。

・頭に数十個の電極をつけ、脳波を記録。検査時間は40分~1時間程度。

・検査終了後は洗髪し、当日中に検査結果を聞ける場合もあれば、専門医がいない場合は後日に結果と合わせて診察となる。


診察と治療

・事前に検査を受けている場合、診察時に検査結果の説明がある。

・発作を疑う動きがあれば録画しておき、医師に見せる。

・点頭てんかんと診断された場合は、詳細な検査と投薬治療を開始。

・投薬がある場合は、その効能と副作用、目標血中濃度などについての説明がある。

・投薬で効果が見られない場合、ACTH(副腎皮質刺激ホルモン)治療が行われる。


投薬

・ビタミンB6大量投与(有効例は少ないが副作用が無い為、初期に試すことが多い。出産直後など早期からの点頭発作に有効例が多い)

・抗てんかん薬(クロナゼパム、バルプロ酸など)

・経口ステロイド剤(ACTHの代用だが効果が低く、国内ではあまり行わない投薬法)

→ももぞうの投薬履歴は日記に順次記録していきます。



【参考データ】てんかん全般における発作別選択薬のうち全般発作(強直)の選択薬


①VPA(バルプロ酸ナトリウム)
 →商品名:デパケン・ハイセレニン・セレニカR
 至適投与量  15~50mg/kg/日
 有効血中濃度 50~100μg/ml


②ZNS(ゾニサミド)
 →商品名:エクセグラン
 至適投与量  4~12mg/kg/日
 有効血中濃度 10~30μg/ml


 PRM(プリミドン)
 →商品名:プリミドン・プリムロン
 至適投与量  10~30mg/kg/日
 有効血中濃度 5~10μg/ml


 PHT(フェニトイン)
 →商品名:アレビアチン・ビタンドール
 至適投与量  3~12mg/kg/日
 有効血中濃度 7~20μg/ml


③CLB(クロバザム)
 →商品名:マイスタン
 至適投与量  0.3~1.0mg/kg/日
 有効血中濃度 ―(主治医判断による)


 CZP(クロナゼパム)
 →商品名:リボリトール・ランドセン
 至適投与量  0.025~0.2mg/kg/日
 有効血中濃度 ―(主治医判断による)




ACTH(あくす)

・副腎皮質刺激ホルモン(ステロイド)を筋肉注射する治療方法。なぜ効果があるのかは未だ仮説状態だが、有効性が高い。

・ACTH治療を受けた患者のうち、7割が早期に発作消滅。3割が再発する。

・日本国内では、殆どの病院が体重×0.01~0.015mg量程度ののACTH-Zを筋肉注射する方法をとっている。

・連日で2~3週間投与し、そのまま中止するか、そこから間隔を徐々に広げさらに2~4週間投与し、終了。

・反応の早い患者では開始後数日で効果が見られる。

・副作用として、脳萎縮とそれに伴う脳内出血のリスク(脳委縮によって脳表面の血管が委縮した脳に引っ張られて破損し、脳内出血が起こる)、不機嫌、食欲増進、肥満、ムーンフェイス、免疫低下による感染症リスク、心筋肥大 など。

・免疫力の低下が起こるので、治療後半年間以上(主治医の方針により指定期間には若干差がある)予防接種が不可。

・脳の委縮が元に戻るまで約半年ほどの期間を要するため、万が一短期間で再発した場合でも、再投与は初回の投与からある程度期間を空けなければ行えない(期間は患者の状態や主治医の判断により異なる)。

→“ももぞう”もACTHを受けました。詳細は日記に記録しています。


外科治療

・脳腫瘍や脳奇形が原因の場合、病理を切断することで改善する場合がある。

・てんかん波の焦点(てんかん波の出ている個所)がはっきりしている場合、焦点箇所を切断することで改善する場合がある。(年齢が小さいと、脳の一部を切断しても、成長と共に他の部位で切断箇所の機能をある程度リカバリー出来るようになるそうです)

・脳梁離断術で改善する場合もある。


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ウエスト症候群の治療ガイドライン(論文・PDF)


日本てんかん学会(HP)


ウエスト症候群(wiki)


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ももぞうは、2013年5月にACTH治療を受けて一旦は脳波がきれいになったものの、その後再発しました。

今まで本当に多種の投薬治療を行ってきましたが、効果があったものは少なく、現在でも投薬での発作抑制は出来ていません。

ももぞうは、脳波検査を何度行っても様々な場所からてんかん波が出ており、焦点がはっきりしませんでした。

潜因性(病理箇所不明)で、精密検査の結果も染色体検査の結果も、何も異状が見つかりませんでした。
病理箇所が見つからない事には、焦点切除などの外科手術は基本的には受けられません。

しかしながら、2013年2月に、脳梁離断の手術を受けられました。



【脳梁離断術について】

脳梁(のうりょう)とは、脳の中心で右脳と左脳を区切るような位置にある神経の束で、てんかん波の電気を脳全体まで爆発的に広げる絶好の通り道、もしくは左右の脳を均衡に保つ働きをしていると考えられている。 

脳梁離断術は、この脳梁を切断し、焦点から出るてんかん波が脳全体に広がるのを防ごうというもの。 

脳梁離断術自体は今のところ副作用がなく、後遺症もないといわれている手術です。 

脳梁離断術は、人工的に、先天性の脳梁欠損症と同じ状態をつくります。
(脳梁欠損症はそれ自体で障害となるものではありません。脳の検査を受けるきっかけがあって初めて気が付く人もいます)

施術年齢が低いほど影響や後遺症(術後に以前のような活発さがなくなった、など)も少なくなります。

脳梁離断術については、患者の負担(外科手術を受けるという体力的負担)が大きいにも関わらず、効果がなかったり、一旦は収束に向かった発作が再発する場合も多く、病院の考え方によってかなり施術数が違います。

たとえば、てんかんの患者さんならほとんどの方が聞いたことがあるような、国内有数の専門病院である『静岡てんかんセンター』では、脳梁離断術は全く行っていないそうです。

また過去に手術を受けた患者の術後経過を統計し、効果とリスクのバランスから実施数をどんどん減らしている病院も多くあります。

しかしながら、他の病院では対象とならない(受けても効果が薄いと思われる)ような患者でも、『長崎総合医療センター』(長崎県大村市)では、積極的に脳梁離断術を行っていらっしゃいます。

※もちろん術前検査があります 

ももぞうのようにどれほど検査をしても病因やてんかん焦点が見つからなかった患者でも、脳梁離断術を受けた後は発作時のてんかん波の広がりが小さくなって、その結果てんかん焦点と思われる箇所が見つかり、脳の一部切除(焦点切除)の手術までもっていける可能性があります。 


ももぞうは2014年2月に脳梁離断術を受けました。

ももぞうの最終目的地点は現在の所、焦点切除としています。 


長崎医療センターでは、『1度目のACTHを受けても再発した場合は脳梁離断を受けてほしい』と提唱されています。

後遺症が少なく、半数近い患者さんに効果のある手術方法です。

長崎医療センター医師の著書によると、発症が遅く(4か月以降など)、かつ発症から施術までの期間が短い(1年以内など)患者さんが、より脳梁離断での効果が現れやすいそうです。


私たち両親は、ウエスト症候群の発作による脳へのダメージより、脳梁離断での後遺症(ほぼ無いといわれています)の方が軽いだろうという考えもあり、そして投薬に限界を感じていたこともあり、手術を決断しました。


この手術は賛否両論ありますので、何が何でも受けるべき!!と発信するつもりはありません。

ただ、この手術を『知っていて受けない』のと、『知らない』のは、大きな違いです。

一人でも、「知っていれば受けたのに」という後悔をする人が減るよう、ここに記録します。



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ウエスト症候群(点頭てんかん)の原因と予後


原因

ウエスト症候群には、原因が特定または推測されている『症因性』と、原因不明の『潜因性(無症因性・突発性)』がある。

・症因性…既往症として病因(先天感染・脳奇形・周産期障害など)がある場合、詳細な検査(血液検査・尿検査・MRI・CT・PET・髄液検査・染色体検査・遺伝子検査など)で判明する場合、その後原因となる病気が発症し判明する場合などがある。

・潜因性…病因なく、また検査の結果でも異常個所が見つからない場合。 潜因性の方が予後は良いとされるが、病因を特定するのが困難な場合もあり、どの患者が真の潜因性であるかを早期判断することは困難を極める。

(※つまり、潜因性だと思われていた場合でも、患者の年齢が小さく脳の構造も未熟で、症因性であるにも関わらず病因が発見できなかっただけであった、というケースもままある。患者の成長と共に病因があらわれ、結果症因性であったというパターンも多い。これは医師の技術や医療設備の問題も多少は関わってくるが、それらを最高レベルのもので揃えて診察に臨んだ場合でも、早期判断は非常に困難であるといわれています)


予後

・発症から1か月以内に治療を開始し、なおかつ治療開始から1カ月以内に発作が消滅した場合、予後が良ければ精神運動発達延滞はない。成人するまでに投薬を完全終了することが可能。

・全患者のうち、普通学級に通える程度の精神発達遅延は1割~4割、教育不能なレベルの精神発達遅延は約半数というデータもある。

・生命予後としては、約1割が3歳まで、約3割が30歳までに死亡しているが、原疾患による死亡である場合が多い。

・症因性よりも潜因性の方が予後は良い。特に発症までの発達が正常であった場合、予後に期待できる。



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ももぞうの今までの治療や投薬、病状、発達などについては、日記として投稿していきます。

この情報ページも随時加筆していきます。

このサイトが、いつか少しでもウエスト症候群の患者さんやご家族のお役に立てたなら、そんなに嬉しいことはありません。


そして病気に苦しむ全ての子供たちの病状が少しづつでも好転していきますよう、心からお祈りしています。









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