おこんばんは。momomamaです。
やや乗り遅れ気味ですが、話題になった例のトンデモ発言のニュースについて、思ったことを覚え書きのかわりに記録しておこうと思います。
めっちゃ長なりましたわ。すんません。。
さて、例の件とは。
ママ珍が真剣に『チンパンジーの気持ち』について考えていて、そのピュアさに私が萌え死にそうになった…という事件ではなく。
(いやまあ遠からずですけども)
茨城県の教育委員会の長谷川某さんが、障害児の施設を視察した後に『障害児は産まずに堕胎するべき』というような発言したことが、大きな波紋を呼びました。
沢山の人がこの発言について各々の意見や想いを綴っていて、私は読みながらまず『こういうことが世間で話題になること自体が良いことだなー』とか、ぼんやり考えました。
障害児について、まずは色んな声が上がったり議論したり皆が考えたりしてくれることが、障害児育児の環境を整えていく第一歩だと思うので。
発言自体については、もちろん私も『ん?』と思います。
でも、よく考えてみると、思考回路は途中まで合ってる気がするんですよね…。
長谷川某さんの思考回路をワタシなりに考察してみました。
1、障害児が暮らす施設を視察した。
『本人も、そして親も職員も、みんな大変だなー』と思った長谷川某さん。
(momomama心の声)→うん。そうだね。一人の人間を全介助で生活させるのは、とても大変ですね。お金も手も時間もかかりますしね。
2、某さん、更に考えていた。
『はっ!ここには貴重な税金と、同じく貴重な労働力が大量につぎ込まれている!!』
→生活保護とかと同じですね。障害児は本人もその家族も働けないことが多いから、手当てが貰えないと生活できなくなっちゃう人もきっといるよね。先進国らしいセーフティネットだね。
日本は、障害者にも等しく健康で文化的なナンチャラの権利があるから、それができないくらいお金が不足するなら、税金使われることもあるよね。
労働力は、つぎ込まれてるというか、逆に雇用を生んでるとも言えるんだけどね。
3、某さん、煮詰まってくる。そして使命感に燃える。
『障害者が生まれると、家族も、介護する職員たちも、本人も、そして税金を払う国も、みーんなが大変なんだ…!何も利益がないんだ!障害児が産まれることは、不幸だ!こんなことは私の手で無くしていかなければ!!』
→うーん…まあ知らない人がそう感じるのは分からなくもないですわ。私も自分がこうなる前は、障害児の親とかマジ不幸…とか思ってたから。
実は、結構幸せに暮らしてる人達もいるんだけどね。
でも最初から敢えて障害児が欲しいって人はきっといないから、障害=不幸、って概念もある程度は仕方ないのかもね。
うん。教育委員会としても是非色々考えてみてほしいですね!!!
4、某さん、結論出た!!
『そもそも、障害者なら産まなきゃいいじゃん!私天才!これで皆ハッピー!!!障害ないか産む前にちゃんと調べて、あるなら産まれる前にコロしちゃえ!!』
→
いや、なんでやねーーーん!!!(゜Д゜≡゜Д゜)キョクタンカ‼
はい。4のとこですねー。
(↑赤の他人の戯れ言です)
障害がある子供が産まれたら大変!って思うなら、そして親たちを少しでも労う気持ちがあるなら…。
障害児は片っ端から産まれる前にコロコロしなさい!じゃなくて(↑間違ったオブラート)。
その命が障害を負わなくてよくなるために、何かしませんか…?
障害児となる原因をちゃんと深く調べることにお金を使ったり、障害の残るような病気を治すための研究を進めたり、出産時の医療事故を防ぐ対策を強化したり、そういうことをすべきだと思うの。
税金が投じられてるのが気に入らないなら、所得制限とか減額とか、何か税金を減らす方法を考えれば良い。
職員が大変だと思うなら、負担を軽くする方法を考えれば良い。
親たちを労いたいなら、そのままの気持ちをまずは言葉にしてほしい。
不利益だからコロコロするって、差別殺人するテロリストや独裁者と同じ発想ですよね。
高齢者医療費や介護職員不足に四苦八苦している国を尻目に、税金も人手もかかるならコロしましょ!ですか。
え?某さん、71歳?
高齢者の医療費とか高齢者介護施設の労働環境について、どう思います?
不利益だからコロコロしましょーって、それは間違いなく、命の選別なわけで。
その『命の選別ライン』を決めるのは、今はお医者様にも総理大臣にも認められていない、何なら神様レヴェルの行為だと思いますが…。
あっもしや長谷川某さん、神様だった…とか?
あなたの決めたラインによって消される命たちを背負って生きていく覚悟、おありですか…?
(もし長谷川某さんはガチで神様だった、もしくは自分が全てを背負ってでも人生かけてやっていく覚悟があったなら、ごめんなさい)
腹立つというか、なんかもうすげぇこと言ってんなこの人…って感じでした。
教育委員会という立場で、私は何百何千という人を産まれる前にコロコロするべきだと思ってまーす、命のボーダーラインは私が決めますからねー!って、世間に宣言しちゃうとか。。
人間は生き物である以上、障害のある個体が産まれたり、死産や流産をしたりする『命のエラー』(←この表現は不適切かもしれませんが、敢えて使わせて下さい)、みたいなものは、どうしてもなくせないものだと思います。
人間は、ロボットじゃないから。
てかロボットとか、何なら単純な大量生産品でさえ、エラーを完全にゼロには出来ないんですから。
また例え健康に産まれても、後天的な理由で人は簡単に障害を負ったり、命を落としたりします。
命はとても脆く、不揃いで、そしていつか皆必ず死ぬんです。
せめて生きている間は、ひとつひとつの命を大切にして、不具合を補い合って、自分たちの不完全な命をいかに生かすかを考えたら良いのになー…と思います。
もちろん私も小さななエラーをたくさん抱えているし、世の中にたくさん助けられて生きています。
お互い迷惑を掛け合って、感謝しあって生きていくのが当たり前だと思います。
病気がある、障害がある、じゃあこの命は捨てましょう。
それだと、いつまで経ってもこの長谷川某さんが言う『障害児を減らす』ための根本的な解決法にはならない。
障害の原因や治療法を探っていくことで、障害を回避できたり、負ってしまった障害からも回復したりできるようになれば。
長い目で見れば、それが何よりも『障害児の数を減らす』ことに繋がると思います。
訊いてみたいなぁ。
この人の中では、命が命としてあるべき条件は、何なんだろう。
働けること?
お金を生み出せること?
他人の利益を阻害しないこと?
他人の手を煩わせないこと?
例えば私は、この人から見て、生きていても良い命なの?
ももぞうは?ももぞうパパは?
高齢者たちは?ニートと呼ばれる人は?生活保護を受けてる人は?
この人自身は?
ももぞうや、障害と共に生きるたくさんの人たちの前で、『あなたたちは生まれてくるべきでなかった』って、ちゃんと目を見て言えるの?
自分は指示するだけでおしまいだと思ってるから、そんなに簡単に言えるの?
あなたが決めたことで一方的に堕胎を決められて泣き叫ぶ母親たちや、たくさんの死んでいく命は、自分には無関係だと思って無視するの?
例えば、残忍な犯罪を犯して終身刑となり、刑務所の中で税金で命を守られている人。
税金の助けを借りて、病気や障害と戦いながらひっそりと生きている、ももぞうや他の障害児たち。
本当に、命のボーダーラインは『そこ』なの?
犯罪者でさえ更正の機会や人権を与えられるこの国で。
障害児たちは、ももぞうは、治療やリハビリを受ける機会さえ与えられず、『産まれる前に消すべき命』なの?
たとえば、『障害児は育てられない、堕胎したい』というお母さんがいるなら、それは否定しません。
私だって、妊娠初期に『お腹の子は間違いなく重度障害児になります』って言われたら、正直迷うと思う。
親が子の命を選べるのか!とかの議論もありますが、それを言い出すと堕胎や避妊自体もそもそもダメ、ってことになりますし。
(実際に宗教でそのような考え方のところもありますが)
昔は明らかな障害児なら、産まれてすぐに産婆さんがキュッと…という話も聞きますが、これもまた昔は見るからに分かるような重い障害のある赤ん坊が長く生きられる環境(医療とか栄養とか)ではなかっただろうことも考えると、仕方なかったことだろうと思います。
(そもそも、産まれる前や産まれてすぐに分かってる障害って、あんまり多くないんですよね。長谷川某さんが見た障害児たちも、産まれてから障害が分かった子達が殆どだったんじゃないだろうか)
ももぞうは、もうすぐ七五三です。
七五三とは、ざっくり言うと『すぐに死んでしまう乳児(=神様からの預かりもの)』から、『子供(=現世の人間)』となるのを祝うものだった、と聞いたことがあります。
時代が時代なら、障害児なんて七五三を迎えさせてはもらえなかった、もしくは迎えられても祝わせてもらえなかった筈です。
今こうしてももぞうを可愛がって育てることを許される社会であること、本当に本当に感謝しています。
貧しい家庭では健康な子供でさえ『口減らし』として捨てられていた時代もありました。
そして、年老いた人たちもまた、姥捨てとして山へ連れていかれました。
これだけ時代が進んで、医療や福祉が発展し、経済力をつけ、先進国と呼ばれるようになった、この国。
倫理観の発展した素晴らしい国だと評されるようになった今の日本で。
教育委員会という立場ある方が、公の場で恥ずかしげもなくあのような発言をなさったこと、本当に情けなく、そして残念です。
弱者をどこまで守れるのかというのは、その国やその人の強靭さを測るひとつのバロメーターだと思います。
私も、私の作った団体がどれだけの人を守れるのかを、大きな指針にしています。
そして、私が必死に働いて納めた税金が、この国の人たちのために使われていること、心から誇りに思っています。
(出来るなら、誰かの笑顔のために使われていますように!)
そして、みなさん。
ももぞうを許してくれて、共に今を、同じ時代を生きてくれて、本当にありがとうございます。
私は私の出来ることで、世の中に恩返しをしていきます。
可愛いももぞうとの暮らしは、私の宝物です。
1. 生かすか殺すか
Re:生かすか殺すか
コメントありがとうございます!
いや~~~~…私がダラダラ書いた記事と同じような内容を、短い文章でサクッと表現されてて…もうほんと、尊敬するやら羨ましいやらです。。(文章纏めるのが苦手)
あ。部屋を片付けが下手なのも、これと同じなんでしょうか。文章纏められないって、思考が散らかってるってことな気がしてきました。
産前に障害の有無を判別する技術を研究するより、既に生まれている子供たちの病気を治す方がよっぽど有益ですよね。そもそも生まれてから何年も経ってから発症する子も多いのに…あっまた長くなってきた(◎o◎)