2013年3月12日
ーウエスト症候群と診断されるまであと約1か月ー
退院に大喜びしたのも、つかの間。
退院翌日のこの日、夕方にふとももぞうの顔を見て、ぎょっとしました。
顔が、真っ黒。
表情はピクリとも動かず、瞬きもしません。
え?!何これ、どういうこと?!
慌ててももぞうに駆け寄って、声を掛けます。
『ももちゃん?!ももちゃんどうしたの?!!』
数秒後、ピクリと目が動き、表情にも動きが戻りました。
顔にもみるみるうちに血の気が通っていきます。
…何、今の…。
見間違い…?
ナーバスになってるだけ…?
もやもやと不安が残りましたが、その日はその後何事もなく過ぎていきました。
帰宅した主人に話しましたが、二人とも『??????』という状態。
取り敢えず暫く様子を見よう、という事になりました。
2013年3月13日
ーウエスト症候群と診断されるまであと約1か月ー
初めてももぞうの『チアノーゼみたいな何か』を見た、翌日。
朝5時半にももぞうが起きました。
私も隣で目をさまし、母乳をあげようとした瞬間。
またしても、ももぞうの表情が固まります。
みるみる黒くなっていくように『見える』顔。
朝早い時間で、まだ薄暗い中での出来事でした。
動揺しまくりながら電気を付けると、また数秒で顔色も表情も元通りになったももぞう。
でも、いつもなら朝一度起きればそのまま暫くは起きているのに、この日は落ちるようにまた眠ってしまいました。
何ともいえない不安にかられ、しばらくももぞうの傍で顔を凝視していました。
お腹も空いているだろうし…と思って、くすぐったり顔を拭いたりして起こそうとしましたが、一向に目を覚ましません。
深く、深く眠っています。
不安で不安でたまらなくなり、5時45分を過ぎた頃、病院に電話しました。
当直だった小児科の先生が対応してくれ、親身になって話を聞いてくれました。
取り敢えず今は眠っているなら、しばらく様子を見よう。
不安だったら今から来てくれても構わない。
どちらにしても、9時ごろになったら一度診察を受けに来た方が良い。
目を覚ましても、ミルクを飲めなかったり、様子がおかしかったら、すぐにでも受診するように。
…というような指示を受け、一旦電話を切りました。
ももぞうはその後7時半に何事もなかったように目をさまし、ミルクをいつも通りクピクピと飲み干しました。
朝9時、指示通り病院を受診しました。
とりあえず、前回の痙攣も『てんかん』の可能性が高いので、投薬を開始しましょう、との事でした。
チアノーゼの件は、『まだ何とも言えないけれど、暫くは救急診察に対応する必要がある病状として病院側で把握しておくので、何か変わった事があったら夜中でも連絡してください』と仰っていただけました。
ーーー
『てんかん』の可能性があるという事は、入院中に聞かされていました。
でも『痙攣』発作は、人生で1度だけ経験したという人が割合多くいるそうで、2度目も起こるという可能性は意外に少ないとの事でした。
『てんかん』だと病名をつけるか否かは、2度目以降の痙攣が起きてからの判断になる事が殆どだそうです。
2度目の痙攣は明日かもしれないし、もう2度と起こらないかもしれない。
抗てんかん薬の服薬も、2度目が起こる前から飲み始める人もいれば、2度目が起こってから飲み始める人もいる。
投薬を開始して2度目を回避できるかもしれないし、その薬が合っていなければ服薬していても2度目が起こってしまう可能性もある。
1度や2度の痙攣で、『てんかんです』とはっきり病名を付けるのは難しい。
(発作時の脳波が撮れればすぐに診断できます)
しかも、『てんかん』の患者さんは日本の人口の1%程度で、100人に1人はいるようなとてもメジャーな病気だという事も教えて貰いました。
ーーー
当時はちょうど、京都でてんかんの患者さんが車で事故を起こし、問題になっていた時期でした。
私は恥ずかしくも、てんかんという病気について何の知識も持っておらず…それどころか『突然倒れる気味の悪い病気』だと思っていました。
(ぶん殴りたい。本当にぶん殴りたいわ当時の私…)
『てんかん疑い』という事で投薬を開始したこの日も、正直『嫌だなあ』と思っていました。
きっと、ももぞうは『てんかん』なんかじゃない。
検査でも異常なかったし、もう痙攣も二度と起こらない。
チアノーゼは何か違う病気の予兆なんじゃないか。
漠然と、そんな風に思っていました。
(完全な現実逃避です)
この日からももぞうは、日本でのてんかんの第一選択薬『テグレトール』を飲み始めます。